例年だと30日まで作業をしていましたが、今年は流れの都合で部品の手配が関わる作業が年内最後の仕事となったので区切りが早めにつきました。
おかげで毎年頭を悩ます産廃の処理も大片付け(大掃除とはいえないので。。)も余裕でこなせてさっぱりした気分で新年を迎えられそうです。
年明けは6日からの予定です。
来シーズンもよろしくお願いいたします。
さて、時節の挨拶はこの辺で。
チョット気になることを書いておこうかなと。
とあるお客様のNSF100のノーマルコンロッドです。
耐久茶屋の公開練習で
小端部が逝ってしまいました。
組立てホヤホヤのWPCを掛けたキタコSE100キットとシリンダー・ピストンがほぼズタボロに・・・
なんだか傷に塩を塗るようで公開を控えていたのですが、同様の事例が出そうなので記録として残そうかと。
実を言うと、当店で組み上げたエンジンでここまでの破損は初でした。
私自身もショックが大きかったです。
でもこの壊れ具合ってコンロッドの役割りを考えると不自然なんです。
コンロッドって上からピストンが押す力を円運動に変換しつつ受け流して、下がりきるとクランクシャフトの慣性力で上に押されています。
つまりほぼ常に圧縮される方向に力が掛かっており、小端部に掛かる力の成分の殆どは小端部の下側(首元)で受けているはずです。
その小端部上側が開くように壊れることを想定すると、潤滑不足によるピストンの焼きつきかウォーターハンマー現象によってピストンが固定されクランクシャフトによって引っ張られる力が働いたと考えるしかありません。
ね、不自然でしょう?
もちろんいずれの要因も無く、直前まで快調に走行していたそうです。
そして最近開けたNSF100のエンジンから同じような事が起きそうなコンロッドが出てきました。
目視点検で気になる所があったので小端部をレッドチェックしてみたところ、レッドチェック無しでは肉眼で分からないほど細いクラックらしき形跡が見つかりました。
ただ、一発では見つからずじっくりしつこく検査液の浸透行程を繰り返してようやく見つけられました。念のため2回連続でチェックをしてほぼ同様の形跡を確認出来たのでおそらく間違いないと思われます。
写真も撮ったのですが識別不能でした。1680万画素のカメラでも画像上つぶれてしまうほど細いんです。(視力自慢!)
これ以上の確認作業はX線検査にでも掛けないと無理です。。
なぜしつこくチェックを繰り返したかというと、写真のクランクシャフトと類似する点があったからでして。
・フライホイールを外す際にプーラーでシャフト端部が潰れてしまうほど強く噛み込んでしまっている
・使用時間の割りに小端部の焼け色が薄い
・2006年の第1、第2ロット辺りの出荷
・コンロッドの刻印が”B"
ネット検索でザックリ調べてみても同様の事例は見かけられず、中古として保管していた近い条件(潰れと焼け以外該当)のコンロッドではクラックは見つかりませんでした。
多発するようなら大騒ぎになっていて良いはずなので思い過ごしかもしれませんが、記事を読んでいる方で思い当たる節がある場合には気をつけてみてください。
気をつけようがねーよ!どうすりゃ良いんだ!!って方は慌てず騒がず当店まで是非ともオーバーホールをご用命くださいませ。
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