オイルのこととか

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    二種類のエンジンオイルからいずれかを選ぶとしましょう。
    一方は保護性能に優れているものの出力損失は後者の二倍、もう一方は保護性能は前者の半分で出力損失を減らしたもの。
    いずれも価格は同じ。使用限度時間も同じ。
    あなたならどちらを選びますか?
    オイルを入れる車両の使い方によっても選択は変わると思いますが、私はサーキット使用でも街乗り使用でも間違いなく前者を選びます。
    ショップをやっていると言う立場的なことも含めてではありますが、私がオイルに求める最高性能は保護性です。

    いきなり本題から脱線します。
    最高のレースエンジンって本番に最高性能を発揮できるエンジンなわけです。
    極論ですが、走行時間の想定が30分ならば30分間だけ最高の状態であれば良いんです。
    レース中に壊れてしまっては困りますが、基本的にはレース後に火を落とすまでエンジンが壊れなければ良いわけですよ。
    オイルにしても同じです。
    エンジンの稼動時間だけ性能を保ってくれればそれで良い。
    加えるなら、入れるエンジンの各部クリアランスや材質、表面処理に合わせてチューニングしたオイルであることも求められますね。
    ミニバイクでもST600でもアマチュアのレースであるのなら、レース一発で終了するほど詰め切ったエンジンとギリギリまで抵抗が落ちるほど粘性や油膜保持性を落としたオイルは必要でしょうか?
    もちろん価値観とお財布は人それぞれですから否定はしませんが。
    私は要らないと思います。
    最高のエンジン性能を維持する費用を考えたら車体維持や消耗品に予算を回したいですね。

    本題に戻りましょう。
    メーカーの努力を嘲るつもりではありませんが、よほど革新的な発見・発明が無い限り基本的にエンジンオイルの出力損失低減と保護性能はトレードオフの関係にあります。(長くなるので突き詰めた話はおいておきます)
    つまり、出力損失を抑えたオイルを使うということは、エンジンへの過度なダメージが確実に発生することを意味します。
    言うまでも無いですが、市販されているオイルで一度使っただけでエンジンが壊れるような製品は無いはずです。(たぶん)
    しかし冒頭の二者択一の前者よりも確実にダメージ蓄積が進行します。
    最低でも年に一度はエンジンをフルメンテナンスするとしても、シーズン中にアウトになってしまっては元も子も無いですよね。
    商売としてはその方が良いのかもしれないですけどね。。

    一例ですが(使用時間や銘柄など詳しいことは伏せます)

    ホーニング跡がすっかり消えてしまったNSFのシリンダーです。
    ボアゲージで測定すると平均で53.35mmまで広がってしまっています。
    メーカー指定の使用限度は53.1mmです。
    純正部品としては入手不能となった0.25mmオーバーサイズをそのまま突っ込めますね。。

    ピストンを見ても

    セカンドリングまで燃焼ガスが吹き抜けてますね。

    クランクケース内を分解してミッション部品を洗浄すると

    灯油で手洗いブラシ洗浄した後にパーツクリーナーで油分をきった際の廃液です。
    磨耗粉とスラッジがたっぷりコーティングされていました。

    実は使用時間が100時間越えてるんじゃないの?なんて思うかもしれませんが、過度に使われたり乱暴に扱われたエンジンではないのです。
    オーナーさんは几帳面に使用時間をメモされているくらいです。
    実際、去年の6月ごろに当店で腰上を開けていますし、バルブシート周りは切削修正が不要なくらい良い状態を保っていました。
    ただオイル上がりでカーボン堆積が進みピストンとヘッドの間に噛み込んでましたが・・・

    このエンジンに入っていたオイルは以前に行った自腹テスト(保護性能)で私的NGだったオイルでした。
    別に悪いオイルではないのだと思います。
    出力損失は少ないらしいです。
    シリンダーだけ見れば油幕切れによる傷は発生していませんが、エンジンの各部が確実に磨耗するだけなんです。
    でも相性の良いエンジンがあるのだと思います。開発の段階で使っていたエンジンがそうなのだと思いますが、何だったのでしょうね。
    気になります。


    JUGEMテーマ:車/バイク

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